「妙観察智6」
呪詛諸毒薬 所欲害身者
念彼観音力 還著於本人
あの人は私を中傷する。
陰で私を陥れようとしている。
なぜそのような事をするのだろう。
なんて嫌な人なのだろう。
そのときにこそ「念彼観音力」、「妙観察智」。
自分と相手を一緒にして、自分の感情を入れて、そこから何かを学ぼうとする。
つまり、人の立場からものを観てみる。
そうするとそこに気づきがある。
知らず知らずのうちに私の方があの人を傷つけていたのである。
私が嫌だ嫌だと思っていたこと、これは自作自演であったのである。
つまり、「還著於本人」。
気がつけば、環って環って本人に落ち着くというわけである。
この智恵をわれわれはすでに持っているということが、観音経には書かれているのである。
気がつけ、気がつけと書かれているのだ。