住職のお話

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住職

「阿弥陀如来の光に出遭うために」


 チベット仏教では、人の死の瞬間には医者・近親者のすべてが遠ざけられ、僧だけがそばにいて、耳元で「死者の書」を読み聞かせるそうです。

 その内容は、これからの人が体験する「光」についての詳細な説明だといいます。

 「死の瞬間、あなたは強烈な光と弱い光に出遭う。あなたは強烈な光と一体になり融合しなさい。そうすれば解脱することが出来る」と。 

  僧は亡くなった後も四十九日の間この「死者の書」を読み聞かせ続けます。

 その間、死者は耳で聞きながら解脱するのです。ゆえに「聴聞の大解脱」といいます。

 ではなぜ四十九日か、それはお釈迦様が六年間の修行の末に菩提樹のもとで瞑想すること四十九日にして悟りを開き、人間から仏に生まれ変わった故事に由来します。

  同様に日本でも、我々が通夜・葬儀で読経する経典の内容は、ほとんどが「阿弥陀如来の光明の不思議さ」です。

 そして様々な光の中から仏の光を受け入れるよう導くのです。

 ですから我々僧侶は葬儀において導師と呼ばれるのです。

 法要は四十九日続けられ、その期間を中陰とよびます。

  さらに我々が皆で一緒に称える阿弥陀仏の原語は「アミターバ・アミターユス」と言い、意味は「無量寿・無量光」「永遠の命を持った光」という意味です。

 また、「南無阿弥陀仏」の「南無」とは「帰命」といい、命に帰るという意味です。

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